でんホームがお手伝いしている住宅は「木質感ある住まい」です。
「木質感」というには、やはり木を多く使っています。
木を素地のまま使うのもいいのですが、そのまま使ってしまうと、どうしても雨風にさらされたり、人の手が触れたり、汚れがついたりして、汚くなってしまいます。経年劣化ですね。シルバーグレイな色に変ってしまうんです。
それを回避するのに効果的なのが、塗装です。
木部塗装です。
基本的に、外部はすべて、内部は人の手が触れたり、汚れたりするところを塗装します。
塗装することで、木部を保護する意味合いがあります。
一般的に、塗装は住宅建築の一部ですから、プロの職人の方にしていただくことになります。
ただ、塗装も永遠ではないので、数年に一度(3年に一度くらいでしょうか)はメンテナンスで定期的に、塗る必要があります。
そのようなメンテナンスのときに大切なのが失敗しない、上手な塗り方です。
今回、でんホーム鳥飼ゲストハウス計画を進めていくのに際して、「外部塗装」は私、竹内正浩が施工することにしました。
当初から、やはりプロの方のほうが完成度が高いということを重々、言われてきてはいるのですが、メンテナンスのことも意識しつつ、肌で経験として建築を学ぶという意味も込めて、自分自身で施工することにしました。結果、すごい色々な経験や学びを得られたのでよかったです。
さて、今回お話するのは「外装用オスモクリアープラスの失敗しない、上手い塗り方」です。
でんホーム鳥飼ゲストハウスは、外部の木部はすべて「オスモカラー#420 外装用クリアー“プラス”」を使用しています。
クリアー仕上げ(透明)なので、木目や木材そのものの風合いが一番伝わるのではないか、ということで選択しました。
オスモは自然塗料のなかでは有名なブランドです。
オスモカラーは自然の植物油とワックスをベースにした木にやさしく、環境にやさしい無公害塗料として知られています。
自然塗料には他にも、リボスやアウロなどがあります。
もちろん、リボスもアウロも検討したのですが、様々な観点から検討した結果、オスモを採用することになりました。
機能・性能の面、価格の面など検討する要素はたくさんあるかと思うのですが、最終的には好き嫌いの面や感覚的な面もありますので、ここでは細かい検討は省きます(他の商品批判にもなりますし)。
今回、採用した「オスモカラー#420 外装用クリアー“プラス”」は木部を紫外線から守る働きをするUVブロッカーが配合されていて、自然木のままで木部の灰色化が進行することを防止できます。防カビ、防藻、防腐効果もあります。
【外装用オスモクリアープラスの失敗しない、上手い塗り方】
ここからは、竹内の経験から得られた知識も含めてお話します。
他の方の意見とは違う部分もあるかと思いますが、そこはご容赦ください。
準備するもの:
・トイレットペーパー
・バールか、ミニバール
・ポリエチレン手袋
・コテバケ(可能なかぎり、オスモ純正品)
・コテバケのスペア(オスモ純正品)
・バケット
・雑巾
・汚れてもいい服
準備するものの説明をそれぞれ簡単にします。
・トイレットペーパー
たしかにオスモは自然塗料で健康に害があるわけではないですが、油を使った塗料の性質上べとつきます。手や道具についた塗料を拭き取るのにトイレットペーパーはかかせません。
・バールか、ミニバール
別に、バールかミニバールでなくともいいのですが、とにかくオスモの缶を開封するのが難しい。開けづらい。なので、ミニバールなんかでテコの原理で缶開けします。バールでなくても、釘とかでも開けられます(痛いですが)。手ではなかなか開けられないですので、ご注意を。
・ポリエチレン手袋
塗装をするとき、便利です。ビニール手袋ですね。使い捨てできて、手に塗料がつかず、あまり洗わなくてすみます。一度、なしでやったことがあるのですが、そのときは結構手を洗い、トイレットペーパーで拭き、手洗いを繰り返しました。
ポリエチレン手袋(使い捨て)
・コテバケ(可能なかぎり、オスモ純正品)
他のメーカーに比較して粘性が高いので、塗りづらいです。
ここで「可能なかぎり、オスモ純正品」と書いているのは、別にオスモの回し者だというわけではないです。純粋に塗装の施工性が高いのです。正直にお話すると、別の安いコテバケを使ったこともあります。「そんなに変わらないだろう」ということで。しかし、実際は違いましたね。オスモ純正品のコテバケのほうが、断然施工性も高いですし、きれいに仕上がります。おすすめです。
これがオスモ純正のコテバケです。
・コテバケのスペア(オスモ純正品)
コテバケは柄の部分と、塗布面に分かれています。塗布面のスペア(替え)です。
・バケット
バケットは小分け容器です。オスモ缶そのままを塗装に使うのは厳しいです。
ですので、一度、バケットに移して、それを持って塗装します。特にバケットである必要はなく、トレーでも、バケツでもいいです。やりやすいほうで。
・雑巾
下地をきれいに拭き上げるのに使います。これがないと、汚い仕上がりになる可能性が高くなります。
・汚れてもいい服
塗装するときは、もちろんこの汚れてもいい服ですね。
塗料が飛び散ったり、ついてしまうことも多々ありますので。
外装用クリアープラスは透明なので、色のついた汚れにはなりませんが、それでも付くと違和感あります。ご注意を。
外装用オスモクリアープラスの上手い塗り方の手順
基本は日本オスモが出している標準塗装仕様書に沿って行います。
まず、オスモカラーは希釈しません。無希釈です。
1.素地ごしらえ・下地処理
汚れ、付着物除去。木部を傷つけない様に除去し、油類は溶剤等で拭き取る。
ここで、雑巾を使います。
このように、一見きれいに見えていても、実はホコリをかぶっていたり、汚れていたります。
このようなホコリ、汚れを拾ってしまうと、オスモカラーの塗料、刷毛(ハケ)が汚れてしまい、結果、仕上がりも汚れてしまいます。
なぜ、それがわかるのかというと、実際に失敗したからですね(苦笑)。
この汚れは塗装の仕上がりに大きく影響を与えます。
まず、ハケが汚れることで仕上げも汚れます。
次に、塗っている塗料が汚れるので、仕上げが汚れます。
この2つのアプローチで汚れた仕上がりになります。
ご注意ください。
塗装しています
2.1 回目塗り
乾燥時間12 時間以上
基本的にはコテバケを使って、のばし塗りします。
コテバケの底面(下半分)にベットリとオイルを付けないようにして、上部1cmくらいだけ塗料を付けて塗ります。
ポイントは出来るだけ薄塗りするということです。
オスモはなかなか塗りづらいと評判なだけあって、たしかに塗りづらいです。
ただ、だからこそ、効果的なのだと思って、頑張って塗ります。
力が入りますし、上のほうを塗りことが多いので、肩も痛くなります。体が痛いです。
でも、がんばります。
ポイントのひとつが「通しバケ」です。
一度塗ったあとで、塗り面を一方向にシュッとハケを通してあげます。
こうすることで、塗りムラ防止と、塗料の方向がひとつになり、きれいになります。
3.2 回目塗り
乾燥時間12 時間以上
12時間以上、乾燥時間をとったあと、2回目の塗りをします。
2回目塗りは、サッと塗れるので施工性は高いです。
1回目塗りを考えると、かなり楽です。
塗装後の写真
これまで、「外装用オスモクリアープラスの失敗しない、上手い塗り方」という話をしてきました。
偉そうに、「失敗しない」と書きましたが、本職ではないので、失敗します。
何度も失敗して、原因を求めて、その上で得られた知識を上には書いています。
端的に言えば、失敗した人の失敗原因から見る、うまく塗るコツでしょうか。
汚れた仕上がりになると、サンドペーパーで削ってから再度仕上げになります。
ただ、それでも万全のきれいさにはなりません。
ですので、できれば失敗せずに塗りたいです。
そのために、必要な知識となれば、さいわいです。