アメリカで5000人以上の顧客を成功に導いた全米最大のFP会社、イーデルマン・ファイナンシャル・サービス社会長のリック・イーデルマン氏のメソッドを、イーデルマンジャパン代表の著者が日本人向けにわかりやすく書いたものが本書。
私たち、でんホームが扱っているものは「住宅」です。
住宅は人生のなかでも、最大級の金額の買い物です。
だからこそ、慎重な資金計画が必要。
ファイナンシャル・プランですね。
その方法論の強化のために、本書を手に取りました。
率直な感想を述べると、かなりアメリカナイズされた内容ですし、ストーリー性があるというより、対比というかたちなので、ちょっと読みづらいです。加えて、投資については、少し異論があります。
とはいえ、家計管理・資金計画においては、参考にすべき点が多々あります。
そのなかでも、印象に残った部分をピックアップします。
“知ってるつもり”というのが一番怖いものなのです
実際には、よく分かっていないにもかかわらず、自分では、”知ってるつもり”になって、お金の問題を扱うというケースです。
マイクとサリーのご夫婦は、”知ってるつもり”の典型でした。
奥さんのサリーは、家庭の支出をすべて管理して、「カリスマ主婦」を自負するほど、お金の問題を知っていると思いこんでいます。専業主婦をしているサリーは、マイクの給料振込みがあると、すぐさま2つの銀行口座に移し変えてしまいます。
片方の銀行口座は、住宅ローンと自動車ローンの引き落とし専用で、片方の銀行口座は、それ以外の引き落とし専用に使います。
余ったお金は、4つ目の銀行口座に入れておいて、他の口座のお金が足りなくなった際の補充用に使っています。それだけではありません。
”サリー流管理法”と称して、
1.すべての支払いは、請求書の到着後24時間以内に完了する
2.取引の項目ごとに、ノートを1冊ずつ用意する
3.ノートへの記帳は、ノートごとにマーカーペンで色分けする
4.安全確保のために、請求書は別々のファイルホルダーで保存する
5.ファイルホルダーには、正確に支出を記録して、請求書の支払日と支払金額を厳密に整理して記載する
6.最後に、アルファベット順に、机の引き出しにしまっておくという手のこりようです。
こうして、1週間のうち10ー15時間を支出管理にあてています。しかし、「では、生命保険には、どのくらい加入していますか?」「お子さんの進学費用は、どのように準備していますか?」「住宅ローンの返済は、どうしていますか?」「年金保険料の控除はしていますか?」「定年退職後の生活費は、どのように準備していますか?」と尋ねた際のことですが、サリーの答えは、「そんなこと、どうでもいいでしょう!それより口座管理法を見てくださいな!」という返答だったのです。
ここで学ぶべきは、支出管理、支出記録、記帳が大事ではない、ということではないです。
支出記録、記帳することはもちろん、大切なことです。
ただ、それだけでは不十分だということです。
「木を見て森を見ず」という言葉があるように、全体を見渡して、家計全体、そして、長期的な人生プランのなかで、現在はどのように行動すべきかを認識すべきだということです。
個々の記帳といった、細かい部分だけではなく、長期的、全体的な視点から、家計、資金計画、人生計画を立てねばなりません。
追伸:
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