珍しく映画館に行きました。
福岡でも行かないのに、わざわざ東京行ったタイミングでなぜ?と思う方もいらっしゃると思います。
滞在時間は短いので、映画で時間ロスですから。
理由の一番は「見たいけど、福岡で上映予定がない」です。
タイミング合って行けました。
映画のタイトルは『ホームレス ニューヨークと寝た男』。
52歳のダンディでオシャレな金持ち風なイケメン男性が実はホームレスだという話です。
そのドキュメンタリー。
内容的には特にオチがあるわけでもなく、福岡で上映されない理由も、映画として素晴らしいとは言えないという単純な理由だとは推測できます。
ただ、知的好奇心はそそられますよね。
普段、伺い知ることのできないホームレスのライフスタイル。
それを知って、知的好奇心を満たすだけでも価値はあるな、と思いまして。
見た感想としましては、生き方に共感する、というのはあまりなく、やはり大変だな、と。
家がないので、モノもあまり置けない。
洗濯機もない。
落ち着く空間もない。
それで5年くらい、そんな生活だそうなので、ある意味ですごい人です。
主人公のマーク・レイさんの一カ月の支出はジムの会費125ドル、健康保険料280ドル、食費450ドル、交際費300ドルと約1200ドル程度。日本円で13万円くらいでしょうか。
ニューヨーク、マンハッタンの1DKの家賃は平均2200ドルだそう。
高いですねー。
離れれば、安くはなるのでしょうが。
マンハッタンは高いです。
この映画を見て、住宅会社として考えることがありました。
それは「住む」ということは何なのか。
ホームレスという「住まい」「住宅」がないことは何を意味するのか。
本質的な問いを投げかけられます。
住まいの存在価値はどこにあるのか。
生活スタイルはすごく興味深かったです。
要は最小限の持ち物で、自分の空間なしで生活するわけです。
雨風をしのげるという基本的機能は重要。
これに快適さがプラスです。
冬暖かくて、夏涼しい。
快適さ。
収納などの貯蔵機能も大事です。
ホームレスは冷蔵庫やキッチンがないので自炊できません。
ですから、ホームレスして全部外食になるので、安いアパートで自炊との食費比較も大事でしょう。本当は。
洋服についてはジムのロッカーを使っていました。
外部に収納を持っていることになります。
クローゼットは必要ですね。
加えて、彼には自分のプライベート空間がないということです。
マーク・レイさんはPC作業などをスターバックスやコーヒーショップでしていました。
それにはお金がかかると同時にプライベート空間がない精神的マイナスがあります。
ここのコストもかなり大きいです。
自分の部屋か、LDKか、書斎などでそういう作業を落ち着いてできるところがなく、閉店するカフェでしか仕事できません。
マークさんの寝床は雑居ビルの屋上で、仕事もリラックスもできません。
なぜなら、不法侵入者で、バレたら退去か、警察行きだからです。
そういうことで、やはり住まいは必要だな、と感じます。
独身ですので、単身用の住居でいいと思いますが。
また、考えさせられたのが、「人は身なりで判断する」ところが多いということです。
マークさんはホームレスですけれども、清潔感があり、アイロンのかかったシャツ、スーツを着て、ダンディで体型もスリムなイケメンですから、すごい人っぽく見られます。
実態は伴ってないのかもしれませんが、身なりがよければ、信用されやすいという面もあると感じます。
自分も痩せてスリムになって、ピシッとしたスーツを着る感じになろうと思わせる感じですね。
と、つらつらと申しましたが、そういうことを感じた映画でした。