一生に一度とも言われる買い物のひとつである「住宅」。
一生にそう何度もないものですから、最高のものを、と思います。
一番いいものを使って、こだわりの一戸建て。
好きな家、好きなものに囲まれて。
誰しもがそう思います。
ただ、実際には制約がつきものです。
たとえば、土地。
100平方メートルの土地に200平方メートルの建坪の建物は建てられません(建ぺい率オーバー)。
ですが、最大の制約条件は「予算」でしょう。
つまりは、お金、というわけです。
「先立つものがなければ、、、」という言葉を思わず言ってしまうことも多々ありますが、最大の制約条件は予算です。
私はよく「家づくりは予算とのせめぎあい」と言っています。
予算はたいてい、ざっくりとは決まっています。
たとえば、2200万円で建物を建てる場合を考えてみます。
もし、この場合、キッチンの予算100万円であるとすると、「もっといいキッチンにしたい」ということで、予算150万円にします。
もちろん、150万円にすることはできます。
ただ、全体の予算が決まっているのですから、キッチンを150万円にするということは、ほかの部分が差額の50万円削られることを意味しています。
せめぎあっています。
理屈から言っても、全体の予算を50万円増やさないかぎり、どこかから予算を持ってこなければなりません。
どちらかが立てば、どちらかが立たず。
このようなトレードオフの検討、逡巡を繰り返すことが家づくりでもあります。
だからこそ、優先順位をある程度明確化させておくことが大切なのです。
優先順位に沿って、削るか削らないかを選ぶ。
せめぎあいは続きます。