住宅は一生のうちで最大の買い物のひとつです。
そのため、住宅を買う際には、それだけではなく、トータルでの人生プラン、経済的なプラン(ファイナンシャル・プラン)が大切です。
本書はそんなファイナンシャル・プランに関する一冊。
一言で言うと「共働きのススメ」です。
昨今の厳しい経済情勢から、男性だけが孤軍奮闘して、二人の生活を成り立たせるのに十分な収入を稼ぐのは、非常にハードルが高いというのが現実。
だからこそ、夫婦二人の力を合わせて、二人で年収600万円を目指そう、というものです。
そうすれば、苦しい時代でも二人で働けばリスク半分、チャンス2倍、というわけです。
著者が本書を書こうと思うに至ったのには、自身の体験があるそうです。
2008年のリーマンショックにより、著者が勤務先からリストラ。
同時期に、夫の勤務先も倒産。
幸いにも、夫はすぐに新しい職場を見つけることができたそうですが、収入は半分以下に。
加えて、著者の方は小学校2年生のときに父を亡くしたそうです。
このような経験があったからこそ、リスクを下げる生き方、夫婦の働き方を提案されているようです。
私自身も、父親を小学3年生のころに亡くしておりますので、著者の方の感覚がわかります。
本書のメインテーマはやはりマネープラン。
家計の改善をテーマに書かれております。
もちろん、夫婦共働きでやっていきましょう、という主張です。
さて、印象的だったのは「二人のお金の北極星を決める」というものです。
二人のお金の北極星を決める
「北極星」とは、どこからみても北の空にある存在。
道に迷ったときに方角を知る目印。道しるべ。方針という存在です。
二人のお金における北極星を決めましょう、というのがこの項目です。
ワークとしては、2つのプロセスでできます。
1.二人にとって理想の状態を絵に描く
2.二人の「やりたいことリスト」を書き出す
本文中では、著者夫妻の理想の状態としては「森に囲まれた静かな家に住み、日当たりのよい庭のデッキチェアで、二人でくつろぎながら本を読んでいる」絵を描いたそうです。
また、やりたいことリストには、訪ねたい国や場所、欲しいもの、食べたいものを、思いつく限り書き込んだそうです。
これは大切なことだと思います。
夫婦といえど、育ってきた環境は違います。価値観も違います。
その価値観の違いを浮かびあがらせる効果があります。
二人の価値観の違いがわかった上で、大きな買い物をするなり、今後の方針を決めるなりすることは、賢明なことだと感じます。