福岡をベースに活動する、でんホームとしましては、福岡・九州の活性化は期待するところです。
福岡・九州がさらなる発展をしていっていただきたいところです。
また、福岡在住30年超の私としても、今後の福岡・九州に役立てる部分を考えていくためにも、勉強しようということで、公益財団法人福岡アジア都市研究所が主催、福岡市が共催の「福岡・九州のアジアビジネス戦略」平成24年度第3回都市セミナーに参加してきました。
会場は福岡市中央区天神にあります西日本新聞会館16階「福岡国際ホール」。
15:00-17:30の2時間半のセミナーでした。
会場には100人前後の方々がいらしていました。
福岡・九州とアジアの人流・観光と物流
個人的に興味深かったのが「福岡・九州とアジアの人流・観光と物流」というテーマです。
(公財)福岡アジア都市研究所 研究主査 新井直樹氏の講演。
福岡はアジアとの地理的な近接性が優位な点。
そこで、地理的近接性を活かしたビジネス、成長戦略を展開することが期待されています。
その点で大切になってくるのが「アジアからのインバウンド戦略」です。
インバウンドとは「入ってくる」意味で、外国人旅行者を自国へ誘致するという意味です。
少子化などで日本の定住人口が減ってきますから、その分の消費を補うためにも外国人旅行者には来て頂きたいわけです。
統計データによれば、定住人口1人減少分(年間)の消費を補うには外国人旅行者7人分か、国内旅行者(宿泊)22人分か、国内旅行者(日帰り)77人分が必要とのことです。国内旅行者を何十人も増やすより、外国人旅行者7人増やすほうが達成できそうという観点です。
日本へのインバウンド・外国人旅行者は今後10年で3倍になる見通しだそうです。
アジアの経済発展に伴って、旅行者も増えてくるようです。
これまで主流な外国人旅行者は韓国、台湾、中国の順番でした。
今後は、中国、韓国、台湾の順番になる見通しだそうです。
中国の経済発展の影響ですね。
中国からのインバウンドはここ数年で急増しているそうです。
福岡に関して、中国からのインバウンドにおける特異な点としては、やはり地理的近接性を背景にした、海路、船舶航路中心の形態です。中国発着中心の外国クルーズ船寄港回数が2012年全国1位だそうです。
クルーズ船としても、24時間か36時間以内に1回寄港したいところだそうで、福岡はそういう意味でいいポジションにあるようです。
韓国・中国のインバウンド層としては、両国共通して30代から40代が過半。会社員が多いそうです。
韓国・中国の一般的なアッパーミドル層が日本に旅行に来ているイメージです。
今後は韓国からの旅行者、中国からの旅行者の受け入れ態勢を整備し、環境を整えていくことが大切になりそうです。
アジアから福岡への企業誘致
他に興味深かったのが「アジアから福岡への企業誘致」というテーマ。
福岡がアジア企業を誘致することで、雇用や経済に貢献することを期待したいところです。
(公財)福岡アジア都市研究所 研究主査 天野宏欣氏の講演。
2010年のアジア諸国の対日直接投資は2,628億円。
日本の対アジア直接投資が約2兆円のわずか5%。
アジアの経済発展は目覚ましいです。
そのアジアの成長を取り込む方策として、アジア企業の誘致は重要だと考えているそう。
ただ、現実として、既存のアジア系企業の立地は東京に集中。
立地としては、東京都港区が最多。
東京以外は、大阪市、横浜市、神戸市が多い。
福岡市が誘致するにしても、雇用を生み出し、かつ、福岡・九州一円の産業に影響を与える企業であってほしいもの。
そういう条件を加味すると、不動産業や投資業などの資金流入のみで実際の企業活動が行われにくい業種は除外。
加えて、情報収集や調査、交流、協力などのサポート機能は東京がメインである以上、難しい。
絞りこんでいくと、なかなか難しそうというのが、第三者の感覚でした。
卸売、小売業、ブランドを持つ製造小売、大規模システムインテグレーター、新興ネット企業、各種サービス業、ハイテク製造業、システムベンダーなどなどを各国からリストアップ。ヒアリングされていったようです。
色々とお話を聞いていって、誘致はなかなか大変なお仕事だと感じました。
誘致という行動そのものが、長期的営業色彩の強い行動のようです。
担当者が定期異動してしまうと、長期で行動できませんし、成果を見すぎると、短期を追い求めてしまい疲弊してしまうもの。なかなか難しい。
提案としては、ワンストップサービス、言語別担当者、海外事務所、インセンティブの”あそび”、プッシュ型の情報提供、トップのコミットメントなどが必要ではないか、とのことでした。
なかなか長期で難しいことではあるかと思いますが、ぜひ、福岡・九州の進展がなされればと期待しております。