時間はあっと言う間にすぎていきます。年をとればとるほど、時間がすぎるのが早く感じます。
あっという間に一日が過ぎ、一週間が過ぎ、1ヶ月が過ぎ、一年が過ぎていきます。「もう一年経った」「あれから、もう10年にもなるのか」そう感じます。この「時間」という概念。実は家づくりにも深い関係があります。
時間と家づくり
たとえば、ご主人様35歳、奥様34歳、お子様2歳、3歳という家族構成の家庭を例にとります。
10年後、ご主人様は何歳でしょうか。45歳です。28歳に若返ったりはしません。45歳です。同様に、奥様は44歳で、お子様も12歳、13歳です。家族構成が変わる要因もありますが、基本的にこうなります。
では20年後はどうでしょうか。ご主人様55歳、奥様54歳、お子様22歳、23歳です。お子様たちは大学進学で家を出ている可能性も高いです。
これからわかるのは、家族のタイムテーブルによって、変化していくということです。
たとえば、お子様が2歳、3歳では自分の部屋は要りません。しかし、自我が芽生え、自分のプライバシーを感じるようになる時期、たとえば、小学生から中学生にかけて、それぞれの部屋をほしがることもあるでしょう(もちろん、そこまで大きな部屋を固定的につくる必要はないです)。また、たとえば、お子様が大学進学で家を出てしまう場合。大学進学から、就職までの流れで、ずっと家を出て、自立してしまうと、今の家に子供部屋は不要になります。
要は「必要な家は、時と共に変化していく」のです。
ですから、家づくりを考える際には、必ず「時間」の概念を考慮しておく必要があります。時と共に変化していく家族。そして、たとえば、子供の成長や両親との同居といった変化にも対応できる必要があります。
それには、住宅に可変性を確保しておくことが必要です。間仕切りなどで柔軟に間取りが変更できるような可変性。今は子供部屋にしているけれど、趣味の部屋にもできれば、主寝室を広くすること、ウォークインクローゼットに変更できるようなことです。
建売住宅や分譲マンションの場合、建物が出来上がってしまっています。また、家づくりという、設計段階でのお客様からの主張はなかなかできません。そのため、この「時間」という概念を考慮に入れた可変性の部分で劣ります。
一方で、注文住宅の場合、家づくりを一緒にしていきます。設計段階から、自分たちの家族に合わせたかたちに調整できます。その点が、注文住宅のメリットのひとつだと思います。
「時間」という概念は人の一生においては、切っても切り離せません。家づくりにおいても、同様です。