室内犬と暮らすための家づくり
近年多いのは、やはり室内犬と暮らすケースです。同じ家、一つの家に人とワンちゃんが共に暮らすというケースです。私がかつてレオと共に暮らしたのも、このケースで、レオは室内犬でした。
チワワやトイ・プードル、フレンチ・ブルドッグ、コーギー、ミニチュアダックス、キャバリア・キングチャールズ・スパニエル(レオもこの犬種でした)といった小型犬、中型犬の場合、家のなか、つまり室内で共に暮らすのも問題ない場合が多いです。もちろん、大型犬と室内で共に暮らす場合もあります。
小型犬の場合は環境変化に弱い犬種もいますので、室内飼いのほうが好ましい場合もあります。ただ、室内で人と犬とが生活する場合、同じ家に住みますから、共に快適で幸せに暮らすのには、それに合った調整なりが必要になってきます。そのため、家づくりにも影響を与えることになります。
室内犬は散歩の後に足を洗う
まず、必要になるのが「足洗い場」です。愛犬も人も同じ家で暮らします。愛犬が外を散歩した後、やはり足を洗ってあげなければなりません。でなければ、土足で家のなかを歩き回ることになりますから。
流れとしては、外へ出て散歩。家に帰って、足を洗ってあげて、室内へ。という流れになります。
小型犬や中型犬の体重の軽いほうであれば、抱きかかえてお風呂場やお手洗いに移動して、足を洗ってあげることもできます。お散歩のスタイルとして、この流れで問題ない場合は、足洗い場を別途設置する必要もないです。別途設置すると、当然費用もかかりますので。
ただ、中型犬や大型犬を室内で共に暮らす場合、さすがに愛犬を抱きかかえてつれていくのは大変です。ですので、足洗い場の別途設置が必要です。足洗い場の設置位置にしても、帰宅から室内への動線を考慮に入れて設置するべきです。
愛犬と生活スペースを分離する家
さて、室内で愛犬と共に暮らす場合、大きく分けて2つのケースに分かれます。「生活スペースを分離する家」と「生活スペースを一緒にする家」です。
「生活スペースを分離する家」は、同じ家のなかで、愛犬のみのスペースとそれ以外の人だけのスペースを分離する家のことです。
よくある例としては、リビングには入ってきてはダメとするケース、ダイニングスペースには入ってきてはダメとするケース。また、リビング・ダイニングスペースには入ってきていいけれど、寝室や個別の部屋には入ってきてはダメとするケースもあります。
「生活スペースを分離する家」の場合、移動できないように仕切りを設置することや、掃除しやすさを重視する設計が必要です。仕切りがないと入ってきてしまいます。また、愛犬は毛をすごく振りまきますので、こまめに掃除できるような設計にする必要があります。
ただ、生活スペースを分離してしまうと、日常生活上、愛犬は家族と離れてしまいます。ですから、寂しがります。「クゥーン」とさみしそうな鳴き声をあげることもあります。そのため、スペースの位置づけ、分離するエリアの分け方やゾーニングは要注意です。
愛犬と生活スペースを一緒にする家
「生活スペースを一緒にする家」は、同じ家のなかで、すべての生活スペースを愛犬と一緒にする家のことです。
すべての生活スペースが愛犬と一緒ですから、基本的な設計は普通の家づくりと同じです。ただ、動線上で不都合な場合は多少の調整が必要です。また、客人を招く家庭の場合は、来客時の想定での調整が必要です。細かいところでは、ポイントポイントで傷つきにくい素材を活用することなどがあります。
このように愛犬と共に暮らす家づくりにはいくつかの検討すべきポイントがあります。愛犬は家族の一員です。共に快適に、幸せに過ごせますように。