建築研究

玉掛け作業者の技能講習を受けてきました

先日、玉掛け作業者の技能講習を受けて、資格を取りに行ってきました。

玉掛けとは、ワイヤーロープやチェーンなどを用いて、
荷をクレーンなどのつり具に掛けたり、外したりする作業のことをいいます。

注文住宅建築の分野では、実際に住宅を建設する際に、
資材をクレーンで移動させたり、荷を持ち上げる際などに必要な資格です。

玉掛けの作業自体は、クレーンのつり具に掛けたり外したりと
簡単そうに見えますが、実際には、クレーン作業の中心です。

クレーンのつり具にひっかけて移動を指示するのも、
着地して整えるのも、玉掛け作業者の仕事です。

クレーン作業は、実はクレーン運転者がメインというより、
地味ですが、玉掛け作業者がメインだったりするのです
(もちろん、クレーン運転も大変で大事な仕事です)。

そんな奥の深い仕事、玉掛け。

講習の基本は、安全についてです。

正しい手順、正しい知識、正しい方法論を学ぶことで、
安全に仕事ができるように学んでおくべきことを学びます。

ハインリッヒの法則

ハインリッヒの法則というものが、安全の分野ではあります。
それは災害発生の確率の話です。

1の重大災害(重傷・死亡)、29の小さなケガ(軽傷)、
300のヒヤリハット(ひやっとした、はっとしたこと、不安全状態、不安全行為)となっているということです。

つまり、重大災害は氷山の一角であるというわけです。

また、クレーンなどにもきちんと安全装置がついています。

クレーン等の安全装置

故障、破損、転倒といった事故を防ぐために、
クレーン等には安全装置がつけられています。

巻過防止装置:巻上げまたは起伏の上限に近づくと自動的に運転を停止するものです。

巻き上げすぎると、装置を破損したり、ワイヤーロープが切れてつり荷が落下してしまう可能性があるからです。

巻過警報装置:巻過防止装置の代わりに装着されるもので巻上げまたは起伏の上限に近づくとブザーまたはベルを鳴らして警報する。

過負荷防止装置:つり荷が定格荷重を超えて負荷されることを防止するための装置で、つり荷の質量が定格荷重を超えた場合、ただちに作動を自動的に停止させるか、または定格荷重を超える恐れのあるときは、警報を発するもの。

これは、もちろん、定格荷重を超えるつり荷を持つと、
重すぎて転倒したり、装置が破損したりする恐れがあるからです。

このように、クレーンには基本的に安全装置がきちんと装備されています。

事故は、安全装置を切って作業している最中に起こるケースが多いそうです。

ほかにも、目測でその物体の質量を計測することを学びました。

質量の出し方

質量の出し方は基本的な算数で、「体積×単位質量」です。

体積は直方体であれば「縦×横×高さ」ですね。
円柱であれば「半径×半径×3.14×高さ」です。

それで大体の体積を出して、単位質量の積を出します。

単位質量は、4度の純水が1リットルで1kg、1立方メートルで1tです。

たとえば、鉄は1立方メートルあたり7.8tの質量があります。
また、コンクリートであれば、2.3tの質量です。

ですから、長さ2m、幅1m、厚さ10cmの鋼板の質量は・・・

2m×1m×0.1m×7.8t/m3となり、
=1.56tです。

この鋼板をつり上げるには、1.56tに耐えうる装備を
しなければならないというわけです。

このように、玉掛け作業は、単純に見えますが、
いろいろな知識をもっていないとつとまらない仕事です。

地味ななかにも、奥の深さのある仕事であるといえます。