雨水利用ハウス見学してきました!
見学会 2012.07.16 memo
解説する渡辺先生。
同じく住宅の建築部分を解説する一級建築士の松野尾氏。
雨水の一次貯留槽
雨水の最終貯留槽
ビオトープ
新聞にもいろいろと取り上げられております。
くみ上げ用ポンプ
以下でんのメモです。
雨水利用する目的
・水害の被害を食い止めるために、各家庭で出来る限り排水する雨水を無くす
・一気に川・海まで流すのではなく、できるだけ、ゆっくり排水する
・そのためのデータ追跡調査
・水道水の節水・雨水利用・渇水対策(トイレや洗濯、庭への水撒きに雨水を利用)
・災害時の水利用
MPレーダー 日本全国の雨量情報
数時間後であれば、およその雨量を予測可能。
(試験運用中)
福岡における水害 1999 2003
水害対策として博多駅地下・天神地下にも雨水用タンクの設置工事中(H30まで)
ここ数十年の雨量や単位時間当たり降雨量を考えると、
2006年ごろマスコミで「ゲリラ豪雨」という言葉が出だした頃より、
単位時間当たりの雨量が激増している。
元々田畑や森だったところが今はアスファルト・宅地となってしまっている。
都市化・市街化 → 雨水保持率の低下 → 河川の水位が上昇率(速度)が高まる
S30頃と現在の友泉邸エリアの航空写真と油山方向の写真
(都市化・市街化が進んでいるのが一目瞭然)
水害時の樋井川の水位上昇率はなんと10分間に2m20cm
雨水は下水道を通り河川に流れ込むが、ある一定上になると、フラッププレートが閉じ、それ以上流れなくなる。その際、低緯度にあるエリアでは下水道の逆流発生。
(マンホールからの水の噴き上げ・低地を中心に水害が発生)
対策としては、
・河川の幅を広げる
→福岡市では、地価上昇・都市化がすすんでおり、実行が難しい。
・河川の川底の掘削
→許容いっぱいまで現在工事を進めている状況。
田島では、塩止め堰がある。海水が田島附近までくる。
川底の掘削では、この堰があり外す必要があるが、そうなると、
雨の少ない時期、満潮時には、もっと山の手まで海水が上がってくる事になる。
・学校のグラウンドなどの広い公共施設内に雨水タンクの設置
防災に利用できるなど、利点も多いが、様々なからみで未実行。
・現在博多駅・天神エリアにて工事を進めているが、防災には利用できない・
貯留量に限界があるなど、疑問点も多い。
・各家庭に雨水利用タンクの設置
一番現実的だが、設置費用が高価で設置者のメリットがほとんどない。
今後補助金などの働きかけをしていく見込み。
現在、いくつかの家庭に協力してもらい、200Lのタンク設置をして実験・データ計測中であるが、あきらかになったいくつかの問題点もある。
雨水利用や水害対策についての啓蒙活動・意識付けにはなる
実際の水害対策のためには、雨が降る前にタンクを空にしてもらう必要があり、
それが、予報が当たりはずれがあるため、実際的にはその実行が難しく、
雨水の増水対策にはほぼ不適。
予報→タンクを空に→雨は降らない→タンクは空のまま→雨水利用をしたい時
(庭への水撒きなど)に水がない →結局雨が降らなければもったいないだけ。
予報があってもタンクを空にする事がなくなる。
200L/日・人 が一般的
雨水利用をするようになり、(トイレ・洗濯・庭の水やり)水道利用が100Lに減っている。
本来は風呂まで利用可能であるが、保健所等の関係で当面は難しい状況。
風呂に使う事ができれば、かなりの範囲で節水が期待できるはず。
今回は最大42tの雨水を貯留できる計画。
(生活用水用:住宅基礎部分17.3t 災害時用:駐車場下24.5t)
貯めている雨水はくさらないのか?
→くさらない。
現在のところ3ヶ月経つが、腐っている気配はない。
腐らせないために重要なのが2点。
・日光を当てない。(日光が当たると藻が生える)
・初期雨水のカット(初期はホコリやゴミなどが多く含まれるため)
初期雨水のカットには便利なシステムがあります。
「所期雨水カット装置」
・貯留された雨水は非常にきれい
屋根→樋→流入層→製水槽(4槽)→ポンプ→浄水器→トイレ・洗濯
ポンプ→ビオトープ
製水槽→満水時のみ 駐車場下貯留槽へ
4つの製水槽により、上澄みをとり、水をキレイにしていく。
さらにトイレタンクの不具合などが出る可能性があるため、浄水器を通した水を利用。
水温は20℃から22℃前後。夏は非常に冷たく、水道管に結露ができるほど。
今後この水で、冷房利用などできるのではないか。
所期雨水のカットなどをしていることもあり、そこまで汚れや汚泥のようなものはない。
ガイドラインの神谷氏によると5年間くらいは掃除なども特に必要ない事がほとんど。
雨水利用タンク設置時の注意点
・タンクの浮力
・タンクの重力
これらの構造上の検討・状況に応じて変わる(今回はGL-700くらいまではOKだったとの事)
・結露
(非常に冷たいため、夏場結露が発生する可能性がある)
→床とタンクの間に断熱材・通気管を設置
・雨水利用設備の雨水が無くなった場合にそなえて、水道水・井戸水などとの
2重配管が必要。
「雨水利用ガイドライン」(神谷氏)の設計指針を利用した。
価格に関して
建物下のタンクに関して 約240万円
駐車場下のタンクに関して 約100万円
約 10万円/1t
水道代 利用量は約半分になるが、料金に関しては半分にはならない。
試算 10万円/年 → 7.6万円/年 年間2.4万円の削減効果?
そのうちもっと判りやすくまとめます。