建築

ホテルジャパン箱根・別館四季【吉村順三設計】(神奈川・箱根)を詳細レビュー(写真たくさんと建築と個人的な口コミ)【写真15枚以上】

ホテルジャパン箱根・別館四季

ホテルジャパン箱根・別館四季はジャパン・トータル・クラブという会員制リゾートの会員だけが宿泊可能なホテルで、箱根にあります。

こちらのメインの棟は吉村順三さんの設計ではなかったと思うのですが、別棟の離れにある別館・四季は3部屋だけある1棟の建物になっており、こちらの建物が吉村順三さんが設計された建物になります。

吉村順三さん(住宅作家・建築家)を詳しくまとめる。建築、建築思想、実際の事例など 「吉村順三さんってどんな建築家?」 「名前は聞いたことあるけど、どんな人?」 「和モダンな家の設計には吉村順三さんの名前が挙がる...

ホテルジャパン箱根・別館四季について


東京駅から2時間半くらい。
ホテルジャパン箱根・別館四季は有名な観光地であり、別荘地でもある箱根にあります。

今回、宿泊してきたわけですけれども、前述の通り、ジャパン・トータル・クラブという会員制リゾートクラブに属しているわけですので、基本的には会員限定の施設になります。

ただ、今回、縁あってジャパン・トータル・クラブの会員の方のご紹介でゲスト宿泊できる機会をいただきまして、伺ってきました

福岡からだと、非常に遠方ということになるのですけれども、こちらホテルジャパン箱根・別館四季自体も建築から40数年以上は経過しているわけで、吉村順三さんが他界されている現在、そもそも現存する設計物件自体が非常に少なくなってきておりますから、せっかくの機会ということで訪れた次第です。

ホテルジャパン箱根・別館四季のアクセスなど


ホテルジャパン箱根・別館四季の住所、ホームページになります。

ホテルジャパン箱根・別館四季の外観

ホテルジャパン箱根・別館四季
外から見ると、あまり建物は見えません。
立派な門がありまして、そこから石階段をのぼって行くかたちになります。

徐々に建物が見えてくる設計で期待感を膨らませる設計ですね。

館内の廊下。天井高は低くおさえられている

館内に入っての廊下。
天井高は低くおさえられています。

天井の素材は籐張り。よく見ると、透けて見えます。
床は石はり。

廊下の開口部もすっきり、風景を切り取られています。

玄関土間は洗い出し。御影石の巾木


宿泊施設の部屋ということもあって、旅館を意識されているのでしょう。
和テイスト濃いめの吉村順三さん設計がビシバシ伝わります。

玄関土間は洗い出し仕上げで、玄関巾木は御影石。
目につく素材が和っぽい素材が多いです。

主室10畳+広縁。そこここに吉村順三らしさが感じられます


主室の天井高さは高め。
室内の建具高さは1,820mmの一間モジュールでかなり和っぽい。

主室そのものは日本文化を踏襲したつくりで、茶室ゾーンの障子+ふすま+開口部のところが吉村順三さんらしいですが、それ以外はオーソドックスな印象。

特徴はやはり開口部


このお部屋の最大の特徴はやはり箱根の山中にいるかのごとく感じられる開口部。

自然の風景を切り取るイメージ。

開口部の断面構成は「窓サッシ・ふすま・障子」という引き戸が2層になっています。現代で同じようなことをすると、とってもお金がかかる仕様ですね。

ふすまは宿泊の際、遮光性をもたせるため。

広縁は吉村順三さんらしい設計


とりわけ吉村順三さんらしいのが広縁。
勾配天井で低めにとった空間+小下がりで段差をつけることで、主室とは別空間に感じられる印象。

広縁はカーペット敷きであり、また、置かれているイス、テーブルも吉村順三さん設計のもので、かなり低く、重心を低くおさえた空間づくり。

洗面所・お風呂も吉村順三さんらしい

洗面所は俵屋旅館とも共通する感じで、オーソドックスな吉村順三さんテイスト。

俵屋旅館

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シンプルで機能的であり、合理的。

お風呂は吉村順三さんらしく、開口部をきっちり。
文珠荘ではお風呂にも引込戸があったのですが、こちらはないです。

お風呂自体は総ヒノキ造りで、壁・床・浴槽がヒノキです。
天井はヒノキではなかったです。

お風呂のディテールや開口部から見えるところを考えても、本施設にはメインの大浴場がありますから、そちらの利用を想定して、比較的抑え目につくられたのかもしれません。

文珠荘の客室
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感想

全体的な感想としては、私が好きな吉村順三さん設計らしい建物でした。

日本の文化を踏襲しつつ、洗練されたかたちで、比較的シンプルにまとめていく設計です。

旅館としての設計という印象ですね。

素晴らしかったです。

ありがとうございます。

YouTube動画で見てみる

最後にYouTubeに動画としてアップしておりますので、映像でご覧いただけましたら、幸いです。

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