京都の北、日本海側にあります天橋立。
この天橋立のそばにあります老舗旅館「文珠荘」に宿泊してきました。
単に旅館に宿泊したいというわけではなく、私(竹内正浩)が最も尊敬している建築家・吉村順三さん設計の建物だからです。それを体感したい、というわけです。
もちろん、1966年建築ということで、年数も経っているので順次、改修されておりまして、後ほどお話しますが、改修後のセンスが吉村順三さんテイストと方向性が異なる感じなので、かなり違った印象になってきています。
ただ、吉村順三さん設計のまま、ある程度残されている客室がありますので、そちらに宿泊してきました。
文珠荘の概要
文珠荘は元々、1690年創業の天橋立名物「智恵の餅」を製造販売している勘七茶屋をスタートとして、日本三景の天橋立を望む立地で、それぞれ特徴ある3つの旅館を経営。その一つが「文珠荘」です。
他の2つは対橋楼と松露亭になります。
天橋立運河沿いに建つ文珠荘は著名な建築家・吉村順三さんが手がけた和のリゾートの宿として知られています。
ウェルカムドリンク・スイーツで出ました「智恵の餅」
その「智恵の餅」ですが、ウェルカムドリンク・スイーツとしてお出しいただけました。美味しかったですね!
吉村順三さんが設計
私(竹内正浩)がこの文珠荘に宿泊しようと思った動機の99%は建築家・吉村順三さんが手がけたからです。
そもそも、なぜ、文珠荘のオーナーが吉村順三さんに設計依頼しようと思ったかと申しますと、俵屋旅館を見たからだそうです。
文珠荘オーナーが俵屋旅館を見て、体感して、いいなと思ったので吉村順三さんに設計依頼を決めたそうです。ちなみに佐賀の大正屋は俵屋旅館を見て、文珠荘を見て「いいな」と思っていたら実は双方とも、吉村順三さん設計と知って依頼したそうです。
この文珠荘、時代に合わせて客室を鋭意リノベーションしていっておりまして、吉村順三さんの雰囲気を感じられる客室はウェブサイトを見たかぎり、雪月花の棟だけかなと感じます。
もちろん構造などのプロポーションは残っているのですが、俵屋旅館と比べますと結構、趣味の方向性の異なるセンスで改修されてます。ですから、雪月花の棟も改修していましたけれども、改修が完了してしまうと、吉村順三さん設計の建築物にはあまり感じられないかもですね。
雪月花の棟も洗面とトイレは改修されてました。他の空間との調和は薄めでしたね。時代の変化に対応というのも難しいですね。
文珠荘の住所・アクセス・駐車場・チェックインチェックアウト情報
文珠荘の住所・アクセス・駐車場・チェックインチェックアウト情報についてお伝えします。
文珠荘の住所と電話番号、ホームページ
- 住所:〒626-0001 京都府宮津市文珠510
- 電話番号:0772-22-7111
- ホームページ:https://www.monjusou.com/
文珠荘へのアクセス方法
天の橋立エリアでおそらくは最も有名なのではないかと思います回転橋近く。
智恩寺から徒歩ですぐのところ。
文珠荘の駐車場
駐車場は正面玄関エリアにあります。
ぱっと見で埋まっていた時も、駐車可能なスペースに駐めさせていただけました。ですから、駐車場スペースはそれなりに十分あるのかなという印象です。
天の橋立駅も近いので、電車アクセスの方も一定数いらっしゃる印象です。
文珠荘のチェックインチェックアウト情報
チェックイン時間は基本、15:00-18:00。特別室は14:00-18:00。
18:00を過ぎるご到着の場合は、ご一報入れる必要があるそうです。
チェックアウト時間は基本10:00(特別室11:00)まで。
文珠荘の外観・内観
外観は豪華というよりも、オーソドックスな旅館風な外観。
風格ありながらも、洗練されつつ歴史を感じるといった印象。
吉村順三さん設計なだけあって、水平ライン・横のラインが特徴的。
廊下も階段も畳敷き
最も特徴的なのは「廊下も階段も畳敷き」というところです。
足の踏み心地もよいですし、風合いもいいですね。
ただ、実際に住宅で同じことをしようとしますと、メンテナンスや定期的に表替えをしないといけませんからランニングコストがかかります。ですから、なかなか個人宅で採用はされない仕様かなと思ったりしますね。
内観はなかなかに雰囲気があって良いです
文珠荘のお部屋:「雪月花の棟」
文珠荘の吉村順三さん設計が強く感じられるのが「雪月花の棟」です。
そういうわけで、雪月花の棟のお部屋に宿泊してきました。
カーペット敷きの空間と小上がりの和室10畳の空間
カーペット敷きの空間と小上がりの和室10畳の空間。障子を開けると天の橋立方面の景色。
いいですね。
吉村順三さんらしい簡素な美を感じられる空間です。
劇的に特殊な、何かをしているわけではないのですが、端正な作りで、プロポーションがきれいです。
吉村順三さんっぽい空調システム
ちなみに1966年くらいに建築された建物なのですが、エアコンが見えないです。
エアコンを隠して、天井裏を空気が通って窓上の隙間から出す仕組みの空調システムを使われています。
同じ吉村順三さん設計の脇田山荘でも、ボイラー室の空気をソファ裏から出していたので同じような考えです。所員だった奥村昭雄さんが主導していたそうです。OMソーラーにつながる話です。
吉村順三さん設計の障子
「吉村障子」と呼ばれることも多いですが、吉村順三さん設計の障子は特徴的です。
閉めたときに一体となって見えるデザインです。
客室の水まわり
水まわりはすでに改修されていました。
設備はやはり劣化するからでしょうね。
トイレもLIXIl(リクシル)の新しいタンクレストイレになってました。
お風呂は当初のまま、でもいいですね!
お風呂は歳月を感じさせる状態ですが、、、でもいいですね!風情があって、すごくいいです。
客室は「夢月(206)」です
ちなみに客室は「夢月(206)」でした。雪月花の棟の中の客室の一つです。
同じ雪月花の棟でも、客室ごとに若干、デザインが異なっているようでした。
文珠荘のお料理
お料理なのですが、雪月花の棟のお部屋ですと、同じ敷地内の別棟にあるレストラン棟にてのお食事となります。
夕食
朝食
文珠荘の感想
文珠荘の感想なのですが、まず、雪月花の棟のお部屋は素晴らしかったですね!
シンプルで普通っぽい装いなのですが、実際には洗練されていて、練られた広さ・間取りだったりします。
もちろんディテールもきれいでいいですね!
とはいえ、文珠荘全体としては数十年経っていることもあり、順次改修が進められていまして、これは趣味の問題かもしれませんが、吉村順三さんの雰囲気があまり残らないような改修が進められています。
同じように吉村順三さん設計の建物に素晴らしい改修を続けているのが俵屋旅館さん。
文珠荘さんはインバウンド向けの外国人向けにベッド部屋に改修したりしてますし、改修にそこまで予算をかけてない印象で、だんだん吉村順三さんらしい雰囲気はなくなってくるのかなと思います。
そういうわけで個人的には残念なところがありますが、総じて素晴らしい建築でよかったです。
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