建築

フィン・ユール邸(岐阜県高山市)に行って、フィン・ユールの世界観を体験してみた【写真20枚以上】

デンマークの建築家であり、家具デザインで有名なフィン・ユールの自邸を再現したお家が岐阜県高山市にありますので、そちらを拝見しに行きました。

フィン・ユール(Finn Juhl)とは?


フィン・ユールはデンマークのコペンハーゲン近郊フレデリクスベアにて1912年に生まれる。若い頃は美術史家を志していたが、成功した商人だった父親の反対から王立芸術アカデミー建築科に進学。ヴィルヘルム・ラウリッツェンの建築事務所で働き始める。

1940年代に「No.45」「チーフテンチェア」といった著名な椅子をデザイン。1942年に父親の遺産でコペンハーゲン北部のオードロップゴーに自邸を建設。

国連本部ビルの信託統治理事会議場のインテリアと家具デザインを手掛け、スカンジナビア航空のオフィスや旅客機のインテリアデザインを手掛ける。

フィン・ユールの家具


フィン・ユールの家具は「彫刻のようである」と言われたりします。

アームの曲線が芸術性を持っていたり、フォルムの削り出しが彫刻のようだったりと、とても芸術性のある椅子が多いです。

北欧家具好きの私・竹内正浩としましては、とってもメジャーなフィン・ユールの椅子もかなり体験しております。

フィン・ユールの家具は、とってもお値段が高いことでも有名ですが(最近は北欧家具全般が価格がとっても高いですけれども)、その多くはワン・コレクション社が現在は製造・販売しています。

フィン・ユール邸(Finn Juhl Art Museum Club)について

フィン・ユール邸の外観
さて、岐阜県高山市にあるフィン・ユール邸は家具メーカー・キタニ社がフィン・ユール財団、デンマーク大使館、東海大学などと協業し、フィン・ユールの自邸をそのまま再現したものです。

実際のデンマークにあるフィン・ユール邸は何度も増築・改築を繰り返しているので、高山市のフィン・ユール邸とは異なっています。ただ、当初の設計図通りだそうなので、かぎりなく当初の住宅建築と同じになっているそうです。

デンマーク在住でデンマークのフィン・ユール自邸を管理している建築家の方にも来ていただいて監修受けたりと徹底的に再現しています。

家具についても、家具メーカー・キタニ社ですから、こだわられています。

また、最もポイントとなるフィン・ユールが座っていたデスクにある椅子は、わざわざオークションで高額落札されたそうで希少価値高い「NV-46」だそうです。

フィン・ユール邸の外観


実際のフィン・ユール自邸では敷地形状的に見えない外観部分も多いそうなのですが、このフィン・ユール邸では全体が見えやすいので、そこが違うところ。

全体としては白を基調としてビビッドなカラーを要所要所でアクセントに入れている感じ。

玄関がドーンと見える事はデンマークのフィン・ユール自邸ではなく、アプローチの方からじわじわと見えて玄関があるという風な作りになっているそうです。

フィン・ユール邸のエントランス


エントランスは正面に見える中庭に視線を抜かせるイメージで、インパクトあります。

1900年代中盤では、このような大きな窓はそこまで多用されていなかったようです。

デンマークは土足文化だからでしょうか、個人的にはポイントポイントでソファないし椅子が置いてあると言う事が気に入りました。

造作ソファが多く、建築的にもすっきりと見せているところも良かったです。

フィン・ユール邸のリビング

フィン・ユール邸のリビング
リビングはかなり広く暖炉のあるファイヤープレースのあるところで語らうスペースもあればその奥には造作ソファで大きなものを置いてありそこでも社交の場となっているみたいです

配置がL字型になっているところもあって、1つの大きなリビングスペースをドーンと作ると言うよりも2つのリビングスペースがあると言うような印象を受けました。

フィン・ユール邸の書斎


書斎は奥行きも幅もものすごく大きなカウンター。

実際にここで書斎利用していたかどうか分かりませんが、、、、

リビングに大きなデスクありますし。

フィン・ユール邸のダイニング

フィン・ユール邸のダイニング
ダイニングで印象的なのはダイニングテーブルと窓そして窓の下のカウンターの関係です。

窓の下のカウンターは壁にドンとついているわけではなく、少し透かしております。

なおかつ薄く見えるようにテーパーをかけておりまして、非常に凝ったつくりです。

加えて樹種もチークと大変高級な仕様になってます。

透かしている理由はその下のヒーターの暖気が上がっていくようにするためです。

フィン・ユール邸のキッチン

キッチンは機能的で収納量も多く、実用性が高いザ・キッチンルームといった印象です。

これも理由はフィン・ユール自身がキッチンに立つことはなく、使用人の方が使うためのキッチンになっているからです。

ですから、基本的には自分用ではないっていう前提のキッチンスペースですね。

フィン・ユール邸の子供部屋


子供部屋は倒してベッドになる笑スペース形の工夫された家具が置かれてました。

シンプルで部屋といった感じです。

フィン・ユール邸の寝室

寝室も広めの寝室で壁とは意外にシングルベッドでした。
北欧系はシングルベッドが多いですけども、そんな感じのライフスタイルんでしょうかね。

まとめ


L字型の平屋という間取りで、印象としては来客・ゲストをよくお招きするライフスタイルのお家かなという感じでした。

実際、広いリビングで来客をおもてなしすることもあったようで、ある種の社交の場としての意味合いはあったと考えます。

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